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モダン・ブギーはシルクの肌触り [R&B/JAZZ/etc]

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先行シングル「Forevermore」を聴いた時から楽しみにしてたユナの新作「Rouge」が本日リリース。でも僕は前作もシングルをラジオで耳にした程度で、特別彼女に注目してきたたわけじゃないんですけどね。
でも静かなソウルを感じる音楽性や容姿も含めて最近のユナは80-90年代にかけてのシャーデーに重なるんですよ。

先行シングルが「Forevermore」だけじゃなく、「Blank Marquee」「Pink Youth」とことごとくミディアムアップな所謂モダン・ブギーだったのである程度予想はしていたけど、アルバムもモダン・ブギーを基調に全編グルーヴィに攻めたてます。昨今のR&Bの流行りはトラップの向こうを張るもう一つの流行がこのモダン・ブギーなわけですけど、彼女の熱くならないシルクの肌触りを持つ歌声がグルーヴィなブギーと得難いコントラストを描いて快感。

一曲目がタイラー・ザ・クリエイターで、その後もGイージーMIYAVI、リトル・シムズと豪華客演陣に彩られながらも主役の歌声はマレーシアという出自などもはや関係なく、米R&Bシーンでも確固とした存在感を放っている。

確か彼女はちょっと前に結婚したそうで、そうしたことも音楽活動に落ち着きをもたらしているのかもしれない。「Foevermore」に続くラスト曲はマレー語で歌われる「Tiada Akhir」。終わりはない。
彼女の決意と静かな情熱が静かに伝わる傑作です。
それにしてもアリアナ同様、ジャケにカタカナ。こういうの外国の方にはやっぱりクールな感じに映るんでしょうかね。
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ダークなグラデーションを描くコンポジション [R&B/JAZZ/etc]

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ジョエル・ロスを良く聴いてるんですが、ロスが多くの曲で参加しているチリ出身のテナー・サックス奏者ミシェル・アルダナの新作「Visions」がとても良いです。

これが4枚目くらいかな。本作で初めて知った人ですが、バークリー卒でニューヨークを拠点に活動しているそう。
ジョエル・ロスと同じく、イマドキというよりは正統派のモダン・ジャズ的な作品ですね。とはいえバークリー卒だからというわけじゃなく、最近のプレイヤーはとにかく上手いね。
先達の奏法や理論的な部分を消化して、自分にあった、曲に合った奏法を選び取っているような。別に曲ごとにコロコロ変わるというわけじゃないですけど。

女性のテナー・プレイヤーって全く思い浮かびませんが、本作もほぼ自作曲によるコンポジションの確かさと、レギュラー・グループであろうメンバーとのインター・プレイがスリリングで、ジャズらしい熱気とスリルを味わえる秀作に仕上がってます。暗いトーンのグラデーションが変化していくような曲はとても魅力的で、女性的な柔らかさよりゴリゴリと硬派なグルーヴに寄り切られる作品です。

もちろんジョエル・ロスもうまく溶け込んで、熱気をはらんだ演奏にクールな彩をもたらしています。
ロスが気に入った人にはおすすめのアルバムです。
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これ以上ない極上のネオ・ソウル [R&B/JAZZ/etc]

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先行シングル「Sent from Heaven」が素晴らしい出来だったので、期待していたラサーン・パターソンの8年ぶりの新作「Heroes & Gods」。これが期待以上の傑作ですよ!
一曲目の「Catch Me When I Fall」の歌いだしの歌声はちょっとスモーキー・ロビンソンを思い出させる。そんな風に一曲ごとにさまざまなソウルの先達の名前が思い浮かぶ。

前作は「Bleuphoria 」はプリンスにマニアックに入れ込み突き抜けた異形のエレクトロ・ファンク作だった。以前のアルバムはネオ・ソウルにそれほど入れ込まなかったせいかチラッとしか聴いたことないんだけど、ディアンジェロやマックスウェルと比べると小粒と言うか、どこか器用貧乏というほどではないにせよ、70年代ソウルをなぞってる感が強い印象だったんだよね。

でも前作あたりから自分の味も出せるようになったというか。
前作のネタはプリンスだったけど、プリンスになりきった挙句に突き抜けたみたいなとこらが面白い作品だった。
この人はディアンジェロやマックスウェルのようなイノヴェイターじゃない。かといって職人肌というのとも違う。
これまでのマーヴィンだったりスティーヴィーだったりプリンスだったり先達に帰依したような作品作りが肥やしとなって、そこで得た妙薬?もしくは秘伝?のようなものを得た今、自身のオリジナル・ソウルを創造しえるようになった。
って感じ?かな。

脇目もふらず自身のソウル・ミュージックを磨き上げてきた。ここにはその自信が漲っている。もう誰のものでもない。そうこれこそ言葉通りのネオ・ソウルじゃないだろうか。
時間をかけてこれ以上ないくらい磨き上げられた極上のネオ・ソウル。聴くほどに味わが増す。ご賞味あれ。

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ヴィブラフォンの新しい夜明け [R&B/JAZZ/etc]

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なーんて大袈裟なタイトルつけちゃったけど、一聴すると普通のジャズ。
いまどきこういうモダン・ジャズなアルバム聴くのも久しぶりだな。最近のジャズ王道であるヒップホップを通過したジャズに食傷気味だったので、新鮮。

若干23歳のヴィブラフォン奏者ジョエル・ロスのデビュー作「KingMaker」。
ブルーノートからってこともあるのかジャズの王道なスウィングに心も身体もウキウキ。
とはいえ良く聴けば、いや良く聴かなくても2019年のジャズらしい刻印がそこここに。アルト1管のクインテット編成。グレッチェン・パーラトの歌もあり。

もうすぐヴィジェイ・アイヤーと来日するジェレミー・ダットンのリズムを細分化していくようなドラムにロスのハーモニーが平行移動していくヴァイブが絡み、イマニュエル・ウィルキンスのアルトが煽情的にブロウする。アンサンブルに重きを置きながら個々のプレイの自由さも確保している作曲術といい、アルバム全体を貫くスピード感といいやっぱりこれは現代のジャズ。

全13曲中、インタールードのベース・ソロ以外はすべてロスのオリジナル。どの曲も曲自体が魅力的なんですよね。あからさまな新しい意匠が施されてるわけじゃないんですけど。
グレッチェン・パーラトが歌う「Freda's Disposition」はロスのヴァイブと共にすかし絵をライブ・ペインティングで描くよう。

実のところ僕はあまりヴィブラフォン奏者のリーダー作って聴いたことないんですよ。
今年はジャズではチューバのテオン・クロスが一番のヒットでしたけど、こちらもそれに並ぶヒット作になりそう。どちらもジャズの花形ではない楽器なところが現代ジャズの隆盛を伝えてくれているってことなんでしょう。今後が楽しみな大器による爽快なデビュー作です。
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良い歌老舗のR&B [R&B/JAZZ/etc]

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2月にジョニー・ギルのシングルがリリースされてたんですね。
全然知らんかった。

曲聴いちゃうともう何も特別に言うことはなんですけど。
老舗の味というか伝統的なR&Bソングですからね。ソウル・ミュージックですよ。
この人はこれでいいんです。アルバムも控えてるとか。楽しみ。

ほんと良い歌うたってますよ。

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2019年、東京の夜 [R&B/JAZZ/etc]

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iriの日本語のフロウに感心してたら、またいいの見つけた。
若い人はすごいね。

Friday Night Plans, JJJ, STUTSの「PRISM」。
これじゃなんだかよくわからない人のために、説明しときます。僕も最初なんだ?と思ったので。
女性シンガーFriday Night PlansとラッパーJJJとトラックメイカーSTUTSのコラボ・シングルです。アディダスのシューズ関係の企画ものみたい。

Youtubeで聴いてイッパツで気に入りました。
iriのアルバムにも参加していたSTUTSのトラックはメロウで文句なし。
問題はこの手を聴くと僕の場合大抵、男ラップがダッセー!ってことで残念なんですが。
このJJJっていうラッパーはなかなかいいじゃないの。別に特別カッコイーとも思わないけど、聴いてて恥ずかしくならない。

でも何よりFriday Night Plansのシルキーな歌声にすっかり酔わされました。
昨年デビューしたばかりの日本とフィリピンのハーフらしいんだけど、既発のシングルを聴いてみると、ほぼ英語で歌っていてそれはそれでとてもいいんだけど、ここでの英語と日本語がシームレスに繋がる歌唱が素晴らしく魅惑的で、こんなに英語と日本語が滑らかに繋がる歌は初めて聴きましたよ。

今の東京の夜の風景を写し取った見事な楽曲と今後が楽しみなシンガーとの新たな出会いにウキウキ。MVも完成度たっかいなぁ。

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全てが追憶の彼方に消え去ってもなお [R&B/JAZZ/etc]

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若手シンガー、ガラントをフィーチャーしたサラーム・レミのシングル「Roll the Dice」。
エイミー・ワインハウスのプロデューサーとして有名な人ですが、いやぁすごいですねぇ。先日ラジオで初めて聴いた時には、金縛りにあってしまいましたよ。

胸から流れ落ちる血が目の前で凍りついていくようなファルセット。
全てが追憶の彼方に消え去ってもなお、気配のように残る恋情といいましょうか。

何度聴いても震えますよ。

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雑多な人種が行きかう街角 [R&B/JAZZ/etc]

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こういう感じ久しぶりだな。
アリソン・ミラーというドラマーなんだけど、初めて聴いた名前。
彼女が率いるAllison Miller’s Boom Tic Boomの4作目?かな「Glitter Wolf」。

一時期ニューヨークのダウンタウン派というかロフト・ジャズから連なるミュージシャン群を良く聴いていた。ヘンリー・スレッギルやマーティ・アーリックとかね。
そのアーリックとの作品もあるピアノのマイラ・メルフォードが参加していることから聴いてみたんだけど、ロフト・ジャズの伝統?に連なるアヴァンな雰囲気がプンプンします。

自身のドラムにベース、ピアノ、フロントはクラリネット、コルネットにヴァイオリンという一風変わったセクステット。

一曲目からやはりメルフォードのピアノが強烈に耳をひく。もちろんそれを申し分なくグルーヴさせるアリソンのドラミングも強烈。パワフルですな。
そしてクラリネットが戦前ジャズ~クレツマーの薫りを載せてくるかと思えば、ヴァイオリンはクラシックからブルーグラスまで。

アリソンの作曲能力も高く、大道芸っぽい雰囲気やどこかユーモアを漂わせたなんちゃってガムランやアフリカンな曲調はドン・チェリーを想起させる。なんちゃってというのはあくまでニューヨーカーな風情が漂うのが魅力的だから。
かつてのフリー・ジャズみたいに行ったきり?にならずにアンサンブルのまとまりを重視しているのが今な感じ。

なんか雑多な人種が行きかうニューヨークの街角に立っているような気分になる。
ブルーノートじゃなくピット・インが似合いそうな快作。来日しないかなぁ。
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チューバが導く重低音グルーヴ [R&B/JAZZ/etc]

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一昨日は地面をもぐるベースラインの話をしたので、今日は同じ低音楽器でもベースじゃなくてチューバの話を。
イギリスのチューバ奏者テオン・クロスの初リーダー作「FYAH」。チューバ片手のジャケを見て思わず手が伸びた。チューバ奏者のリーダー作なんて珍しい。これが大当たり。

1曲目からモーゼス・ボイドのヘヴィなドラムとチューバの重低音によるシャベルカーで地面を掘り進むような怒涛の激重グルーヴが快感。全編地響き立てるようなチューバが思いっきり自己主張していていますね。ヌブヤ・ガルシアのサックスも雄々しい音色が気に入った。この3人はUKジャズの注目株なんですね。知りませんでしたよ。UKジャズも盛り上がってんだな。

ジャズでチューバというとブラス・バンドですけど、全曲オリジナルの楽曲はニューオリンズのガンボ風味と共にカリブの海風も薫る。もちろんリズムにはヒップホップを通過したグルーヴが溢れ、時にはアフロビートもあり。チューバの可能性を広げながら、ジャズの伝統と未来が交錯する音にワクワク。最後まで耳が惹きつけられっぱなし。

そういえばチューバが入るとベースレスになるものなのかな。本作ではベースはいないですけど。そもそもチューバの入ったクインテットとか聴いたことないのでよくわかりません。
ホーン・アンサンブルのひとつとしてならベースが入るんだろうけど、本作のように小編成の場合はやっぱり自動的にチューバがベースの役目を果たすことになるんだろう。

同じ役割と言ってもベースとチューバの違いはやはり弦の振動によって音を伝えるベースよりもチューバの方が管楽器だけに空気の振動が大きいというか音圧がすごいですね。
そういえばラップ・グループのザ・ルーツはライブでは低音域を補うためにチューバがいるとか。ヒップホップの影響少なくない今のジャズにおいてはこの低音域の音圧が必要とされるために、このテオン・クロスのようなチューバ奏者が現れたともいえるのかもしれない。他にもこういった新しい試みをするチューバ奏者が表れているのかよく知りませんけど。

アルバムでは後半に置かれた「CIYA」のメロウさにほっと一息。
鍵盤楽器がない編成のせいで隙間のあるグルーヴの中、音色の違う楽器どうしのハーモニーが広がる。ギターのアーティ・ザイツも良い。参加メンバーをみるとイギリスらしくカリブやアフリカっぽい名前が並びますね。
チューバの未来に光ありな注目作です。
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見かけよりも純なエモーション [R&B/JAZZ/etc]

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身体中タトゥーだらけのシンガー、ケラーニ。
先行シングル「Nights Like This」「Butterfly」が良くって、この新作「While We Wait」、ミックステープらしいけどを楽しみにしてました。一昨年の1stをちょっと聴いてみると、見てくれとは裏腹にけっこう正統派なR&Bなんですね。

トラップ時代のR&Bらしいグルーヴの向こうに、ほの暗いエモーションがゆらゆらと立ち上ってくる。アリアナのアルバムは大好きなんだけど、メロウな曲があったらよかったなと思ったりしてて。彼女はかわいらしい感じなんで、静かな曲でもメロウな情感はあまりないんですよね。これはまぁ別に不満というわけじゃなくて、ただのないものねだりですけど。

それでこのケラーニですけど、アリアナより年下のまだ23歳だけど、メロウな色っぽさはこちらの方があります。悪いこともいっぱいやってきたおかげで、痛い目にもたくさんあってきた。恋の痛みも人並み以上に味わってきたわよ。みたいな。

強がって斜に構えていながら、若さゆえの激しさと脆さが歌の中で見え隠れする。そんなところに惹かれます。見かけよりも純なエモーションを持ったシンガーです。

この曲のサンプリングが気になる。
たぶん古いSP音源だと思うけど、フィドルみたいな人の声?古いブルースとかフォークみたいながとても印象的に使われてます。

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