So-net無料ブログ作成

ヴィブラフォンの新しい夜明け [R&B/JAZZ/etc]

kingmaker.png

なーんて大袈裟なタイトルつけちゃったけど、一聴すると普通のジャズ。
いまどきこういうモダン・ジャズなアルバム聴くのも久しぶりだな。最近のジャズ王道であるヒップホップを通過したジャズに食傷気味だったので、新鮮。

若干23歳のヴィブラフォン奏者ジョエル・ロスのデビュー作「KingMaker」。
ブルーノートからってこともあるのかジャズの王道なスウィングに心も身体もウキウキ。
とはいえ良く聴けば、いや良く聴かなくても2019年のジャズらしい刻印がそこここに。アルト1管のクインテット編成。グレッチェン・パーラトの歌もあり。

もうすぐヴィジェイ・アイヤーと来日するジェレミー・ダットンのリズムを細分化していくようなドラムにロスのハーモニーが平行移動していくヴァイブが絡み、イマニュエル・ウィルキンスのアルトが煽情的にブロウする。アンサンブルに重きを置きながら個々のプレイの自由さも確保している作曲術といい、アルバム全体を貫くスピード感といいやっぱりこれは現代のジャズ。

全13曲中、インタールードのベース・ソロ以外はすべてロスのオリジナル。どの曲も曲自体が魅力的なんですよね。あからさまな新しい意匠が施されてるわけじゃないんですけど。
グレッチェン・パーラトが歌う「Freda's Disposition」はロスのヴァイブと共にすかし絵をライブ・ペインティングで描くよう。

実のところ僕はあまりヴィブラフォン奏者のリーダー作って聴いたことないんですよ。
今年はジャズではチューバのテオン・クロスが一番のヒットでしたけど、こちらもそれに並ぶヒット作になりそう。どちらもジャズの花形ではない楽器なところが現代ジャズの隆盛を伝えてくれているってことなんでしょう。今後が楽しみな大器による爽快なデビュー作です。
nice!(0)  コメント(2)