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大人の女の装いを感じさせる声 [ポップ/ロック]

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女優、鈴木京香による3曲入りシングル「dress-ing」。
彼女はデビューして今年で30周年だそうで、それを記念しての作品とのこと。
歌手としてのCDをリリースするのは初めてだそうですけど、これが素晴らしいんですよ。

歌が本業でない女優さんの歌と言うのは、他では得られない独特の魅力がありますよね。
女優さんが歌を歌ったりする場合、よくあるのはジャズ。ジャジーな雰囲気で大人の女性の色気を表現したようなものが多い印象があります。そういうものにも素晴らしいものはたくさんあると思いますけど、このシングルがそういったものと一線を画すのはクラブ・ミュージック仕様の音に仕上がっていること。

プロデュースを担当するのは本CDのリリース元SLENDERIE RECODを主宰する藤井隆。お笑い芸人として有名な人ですけど、歌謡曲などに造詣の深い人なんですよね。
本作の成功は、プロデューサーとしての彼の丁寧な仕事の賜物でしょう。
歌い込む必要のない雰囲気っぽく歌をのせればいいエレクトロニックな音作りが鈴木京香の歌声を引き立てています。

ちょっと80年代っぽくもあるエレポップな「海岸線より」はアトモスフェリックなエレクトロニックな音が柔らかく彼女の声を包み込む。舞台の仕事も多いせいかディクションのしっかりした歌声は歌詞の世界を明確に聴き手に伝える。
岸辺の水が跳ねるようなエレクトロニカな「わたしの左岸」は刻々と色を変える水彩画。

歌は特別上手いわけじゃないんですけど、やっぱり雰囲気というか、音の中で適切な役割を演じるというか。上手く言えませんけど。
全曲彼女が作詞を担当していて、女優として常に台詞=言葉に接しているせいなのか、言葉の選び方にセンスが感じられます。

最後のトーフビーツのカバー「水星」は、特に女優ならではの本領を発揮した逸品。オリジナルはサビ以外はラップなんですが、彼女はここで朗読してます。ポエトリーリーディングとナレーションの中間のような。この部分も彼女の作詞なのかな。こういう歌は他では聴けないですよ。

タイトルの「dress-ing」。
どう意味でこのタイトルにしたんだろうと考えて、着飾るわけでもなく着飾らないわけでもない、普段の大人の女の装いを感じさせる本作での彼女の歌声に思い至りました。

このCDシングル3曲しか入ってないのに、2700円もするんですよ。
一応写真集のようなブックレットが付いているとはいえ、まぁバカ高い。高すぎる。ダウンロードなら600円なんですけどね。
でも何度も試聴してあまりに気に入ってしまったので、CD買いましたよ。これはやっぱりフィジカルで持っていたくなる作品ですよ。ブックレットはまぁとにかくとてもお綺麗な方なので、素敵な写真がいっぱいで。値段はともかく商品としては全く文句はありません。

ジャケも素敵だし、音も素晴らしいし、パッケージ商品としてこんな素敵なCDはなかなかありません。傑作と言いきっちゃいましょう。


こっちも良い雰囲気だなぁ。

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