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チューバが導く重低音グルーヴ [R&B/JAZZ/etc]

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一昨日は地面をもぐるベースラインの話をしたので、今日は同じ低音楽器でもベースじゃなくてチューバの話を。
イギリスのチューバ奏者テオン・クロスの初リーダー作「FYAH」。チューバ片手のジャケを見て思わず手が伸びた。チューバ奏者のリーダー作なんて珍しい。これが大当たり。

1曲目からモーゼス・ボイドのヘヴィなドラムとチューバの重低音によるシャベルカーで地面を掘り進むような怒涛の激重グルーヴが快感。全編地響き立てるようなチューバが思いっきり自己主張していていますね。ヌブヤ・ガルシアのサックスも雄々しい音色が気に入った。この3人はUKジャズの注目株なんですね。知りませんでしたよ。UKジャズも盛り上がってんだな。

ジャズでチューバというとブラス・バンドですけど、全曲オリジナルの楽曲はニューオリンズのガンボ風味と共にカリブの海風も薫る。もちろんリズムにはヒップホップを通過したグルーヴが溢れ、時にはアフロビートもあり。チューバの可能性を広げながら、ジャズの伝統と未来が交錯する音にワクワク。最後まで耳が惹きつけられっぱなし。

そういえばチューバが入るとベースレスになるものなのかな。本作ではベースはいないですけど。そもそもチューバの入ったクインテットとか聴いたことないのでよくわかりません。
ホーン・アンサンブルのひとつとしてならベースが入るんだろうけど、本作のように小編成の場合はやっぱり自動的にチューバがベースの役目を果たすことになるんだろう。

同じ役割と言ってもベースとチューバの違いはやはり弦の振動によって音を伝えるベースよりもチューバの方が管楽器だけに空気の振動が大きいというか音圧がすごいですね。
そういえばラップ・グループのザ・ルーツはライブでは低音域を補うためにチューバがいるとか。ヒップホップの影響少なくない今のジャズにおいてはこの低音域の音圧が必要とされるために、このテオン・クロスのようなチューバ奏者が現れたともいえるのかもしれない。他にもこういった新しい試みをするチューバ奏者が表れているのかよく知りませんけど。

アルバムでは後半に置かれた「CIYA」のメロウさにほっと一息。
鍵盤楽器がない編成のせいで隙間のあるグルーヴの中、音色の違う楽器どうしのハーモニーが広がる。ギターのアーティ・ザイツも良い。参加メンバーをみるとイギリスらしくカリブやアフリカっぽい名前が並びますね。
チューバの未来に光ありな注目作です。
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