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都市の叙情を湛えたサンバ [ブラジル]

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プロデュース業なども手掛けるという才人、ロドリゴ・カンポスの「9 SAMBAS」。
昨年からストリーミングで聴いてたんですけど、じわじわと気に入ってこれは絶対CD買おうと思って、届いたら記事にしようと思ってたんですが、結局正月もとうに過ぎて、ようやく届きました。

先日のパウリーニョ・ダ・ヴィオラの記事の前半の文章は本作を紹介するための枕として記してあったものでした。結局あっちの方を先に入手したわけです。
本作がパウリーニョのサンバの延長線上にあると思ってたんですが、何度も聴いてるうちにちょっと違うかなとも思い始めた。もちろん通じる部分はあるけど、パウリーニョのルーツ学究的なスタンスはロドリゴにはあまり感じられず、もっと今の時代を映したサンバを歌おうという意思を感じます。
ジャケからして現代美術的なセンス。CDだと紙ジャケで黄色いのは帯になっててとりはずせます。

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1曲目のゲストのロムロ・フローエスも以前の僕にはちょっと敷居が高かった。
フローエスがゲスト参加するだけあってどの曲もアレンジにひねりが聴いてる。クラシックともジャズともいえないホーン・アレンジが施されていたり、時にノイジーなギターも聴こえる。
でもそれもすべて現代の都市や社会を映しているようにも思えてくる。ひねったというよりは目の前に見える風景を音にしたような。フィクションでなくてドキュメンタリー・タッチ。サンバが映す都市のサウンドスケープ。

ギターやカバキーニョはじめ打楽器まで、聴こえてくる音の8割がたは自身で演奏しながらも、フローエス作品に比べれば前衛的というより、瀟洒に愛らしくさえ聴こえるその音楽は丸みを帯び耳にやさしい。
全9曲、都市の叙情を湛え、磨き上げられた工芸品のような佇まいの曲自体も魅力的で、柔らかく芯に温もりをもったロドリゴの歌声は静かに語り掛けるように響いてくる。

うん冬の長い夜にはこんなサンバが良く似合う。

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