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野生を内に秘め躍動するエレガンス [フレンチ・カリブ]

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そんなわけでとっとと紹介しとこう。
マルチニークのピニスト、マリオ・カノンジュの新作「Zouk Out」。
素晴らしいんですよこれが。

でも僕はこの人あまりちゃんと聴いたことなかった。たしか半年くらい前に前作をストリーミングで聴いたくらいで。たぶんピアノという楽器のプライオリティが低いせいだろうけど。

でも本作はYoutubeでアルバムのEPKを見ただけでピーンと来ましたね。
一曲目「YEKRI」はピアノ・トリオによるカリビアン・ジャズで、この曲はラストにもヴォーカル入りのヴァージョンが収録されていいます。
続くフルートやフリューゲル・ホーンによるアンサンブルも美しい「SWEER KON LAKAY」も抑制されたタッチが次第にスピードと熱を帯びて飛翔してくピアノが圧巻です。
これはどの曲にも言えますけど、躍動しているのに荒々しさを内に秘めたようなエレガンスに魅せられてしまいました。
「KARNAVAL BLUES」もブルースの猥雑さとエレガンスが拮抗し、ブギウギがカリブの海風にさらされたようなグルーヴが最高。

曲によって編成を変え、ハーモニカの音色にもうっとりな「SE OU MWEN LE」はラルフ・タマールの歌声も聴こえる。歌を主役に立てながらも、マリオがにっこり笑っているのが見えるよう。音楽家としての器の大きさは、もうベテランといっていいキャリアのなせる業でしょうかね。

基本メンバーははカリビアン・ジャズの秀作にこの人ありなミシェル・アリボのベースに、アーナウド・ドルメンのドラム、パーカッションのアドリアーノ・テノリオはトーキング・ドラムも叩いたりもします。

とにかく聴きどころ満載な本作、自然な形で自身のキャリアを俯瞰して見せた傑作です。

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