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ありきたりな日常に寄り添う歌 [ポップ/ロック]

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今朝聴き始めた時から、すっと着慣れたジャケットのように耳に馴染んだ。
本日リリースの宇多田ヒカルの新作「初恋」は、鈍色の空から漏れる日の光に雪解けの季節を感じとるような「Play A Love Song」で幕を開ける。

1stアルバム「First Love」を日本語にしただけの「初恋」。もちろんそこには彼女なりの新たな所信表明という意味もあるかもしれない。

ダウンロード購入したのでミュージシャン・クレジットが確認できないんだけど、多くの曲でクリス・デイヴらしきドラミングが聴こえる。特に「誓い」でのプレイはらしさ満点。でも最近のジャズを参照したとか小賢しさとは無縁なのがこの音楽の器の大きさを示している。

時折入るホーン・セクションがどこかサザン・ソウル風にも聴こえるのは僕の耳がおかしいせいだろうけど、彼女の歌がスタイルじゃないソウルを体現しているのも事実だろう。

わらべ歌のようなリフレインが印象的な「パクチーの歌」はじめ、彼女の歌詞は言葉の選ばれ方が面白い。歌詞に使われることのないような言葉が響きと共に音楽として面白い効果を出してる。

おだやかな顔をして「おはよう」の挨拶をしても、くだらない冗談に笑いながら仕事をしても、誰にだってそれなりに心が揺れ動いたりする瞬間だって日々当たり前にある。
ここにあるのはそんなありきたりな日常に寄り添う歌だ。

この時代にしっかりと存在しながら、多くの惑いに曝されながら、時代と関係なく超然としているわけじゃなく、すっくとそこに立っている。そんな音楽。
何の留保なく言わせていただきましょう。傑作です。

ちなみに本作に収録された4曲ほどは昨年から配信リリースされてきた曲で、僕はそれをリリースの度に買ってたんですが、そういう場合アルバムは2100円なんですが、既に4曲で1000円払っているということで、残り1100円を払えば残りの曲を購入できるシステムなんですね。今回初めて知りました。

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